ハンマーナイフ ベアリング交換 その1

 

中古のハンマーナイフを使っていたら突然ナイフ刃の回転がストップしてエンジンが停まってしまいました。
刃になにか巻き付いたのかと思ったのですが、何もありません。
ナイフ刃の回転軸が先日錆び付いていたのでチェックしてみましたが重いながらも回転します。
チェックしていくとナイフ刃の回転軸の上のプーリーがビクともしません。奥のプーリーの回転軸の元が異常に熱くなっています。
どうもここのベアリングが、かじってしまったようです。
プーリー部分を外して見たら見事にビクともしません。

 

オーレックのパーツリストを見たらベアリングの品番が載っていたので、機械部品屋さんに注文しました。知人にステンレスのほうが耐久性が高いと聞いたので、4倍近い値段でしたが、ステンレス製を注文しました。(耐久性も4倍だといいのですが・・・・)

 

ベアリングは、注文した翌日には届きました。部品が来たので早速交換です。
まず、問題のプーリ部分を本体から外して、ブレーキシューなどを外します。

次にプーリーを外します。
かじっていない側は簡単に抜けましたが、かじった側は、硬くなっていました。
それでも、プーリー抜きでテンションを掛けて叩いて行ったらそれほど難しくなく抜けました。

 

両側のプーリが外れたら、軸を叩いてベアリングを叩き出します。

軸を取り外したら、かじった側のベアリングのカバーも出てきました。

 

かじった側のベアリングは、カバーに隙間ができていてなにか削れた後があります。(なんでだろ?)

とりあえずベアリングを外します。ちょっと固かったですが、ベアリングプーラで抜けました。
抜いてみたらかなり焦げ臭く、ボールを抑える金具が壊れていてボールとリングの間に噛み込んでいます。

これがロックしている原因です。

 

でも、なんでこんなこん風になったんだろう?  ボールの摩耗とは関係無さそうです。

そう思いながら、プーリーを見たら原因が分かりました。

正常な方は、プーリーとベアリングが当たる面は平らですが、破損した側は、ブーリーに段差があります。

   (パーツリストで見るとおんなじ物なんですけどね)

ベアリングの内側のリングの当たり面が凹んでいて、カバー部分が出っ張っていて削れた後があります。

プーリーが一番弱いベアリングのカバー部分を押すのですから壊れて当然です。

 

しょうがないので、出っ張っている部分をヤスリで削りました。

ベアリングのカバー部分を押さなければ、大丈夫と思ったのですが、このプーリーはちょっと削る程度では、許してくれませんでした。

なんと、一番内側が一番低くなっていました。このまま段差をなくしたのでは全部が平らになってしまい、このプーリーはベアリングの外側のリングを押してしまいます。

ベアリングの外側は、ベアリング受けに固定されますから、プーリーとベアリングの外側のリングに摩擦が生じます。ベアリングの意味がありません。

しょうがないので、丸い形が残っているうちに正常な方と同じ形にヤスリで削っていきます。

塗装が残っている部分を削っていき 1mm位段差ができる様にします。

そうしたら、内側の段差がなくなるように削っていきます。 今回は、ヤスリで内側の部分を削ってしまう手前で止めておきました。

正常

上が修正したプーリーで、下が正常なものです。

 

最後に少し目の細かいヤスリで表面を削ってシャーシブラックを塗っておきました。

 

これで組立なおして完成です。

見た目には、なんの変わりもありませんが、耐久性がぐ〜〜と上がっているはずです。

 

 

 

しかし、なんでこんな事になったか、思い当たることがありました。

先日点検した時に、今まで気づかなかったのですが、プーリーを止めるボルトが緩んでいました。

少し音が出ていて、少しゴリゴリ感がありました。

なんでこんなところが緩んでいるんだろうと、閉め込んでしまいました。

これが決定的にいけなかったのでしょう、数日でこんな状態になりました。

 

しかし、分解中に気づいたのですが、プーリーのボルトにはネジロックがタップリ塗ってあり、緩んだのではなく最初から締まっていなかったと思われます。

この機械を組み立てた人は、確信犯でしょう。締め込むとベアリングがすぐにダメになるので、押す手前で止めておいたのでしょう。

こんなひどい組立は初めて見ました。たまたまかどうかはわかりませんが、他にもこんなことになっている方がいるかも知れません。

プーリーの止めボルトが緩んでいたら要注意です。

 

 

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