Q&A

私がお客様からよく聞く、質問や失敗例です。栽培の参考になれば幸いです。


何年たってもブルーベリーが大きくならない(購入した時とあまり変わらない)

   植え付けの時に、ピートモスを使っていない。

   試しに、掘り上げてみてください。植えた時とほとんど同じ根鉢の大きさだと思います。

   ピートモスと鹿沼土、半々の土で鉢植してみてください。

   通常掘り起こす場合は根を切ってしまうので、休眠中の冬に行うのですが、

   このような場合はすぐに植え替えてあげたほうが良いです。


畑にピートモスを使って植えたが、大きくならない

   野菜を育てていた畑には、石灰が散布してあることが多くpHが6〜6.5位になっていることもあります。

   このような土壌に、ピートモスを土壌の半分程度混ぜてもよく育たないことがあります。

   硫黄などを施した方がその後の成長が良い場合が多いようです。


    関東地方では、だいたい下記のようなpHと思います

      何もしていない畑      pH 5.5程度

      石灰を散布してある畑   pH 6〜6.5程度


   ピートモスを施しても、pH1程度しか下がらないようですので、

      何もしていない畑+ピートモス  pH 4.5程度  (ハイブッシュ)

      石灰を散布してある畑+ピートモス   pH 5〜5.5程度 (ラビットアイ)


   これに硫黄を施すと

      石灰を散布してある畑+ピートモス+硫黄   pH 4〜4.5程度(ハイブッシュ)


    目安としては、こんな感じだと思います。

    実際にピートモスや硫黄を施す場合には、農協やホームセンター等での土壌検査をおすすめします。


植え付けの際に石灰を使用した

   ブルーベリーは、酸性土壌を好みます。石灰は、アルカリに改良するための資材ですので、根が成長できません。

   (最悪、枯死します。)


石灰を散布したことがない土地なので、ピートモスを使用しないで、植えつけた

   地域によって差があると思いますが、何もしていない土地でもpHは5.5程度あると思います。

   ラビットアイブルーベリーは、この程度のpHでもよく生育しますが、ハイブッシュブルーベリーにはpHが1程度高いと思います。

   ピートモスを植え土に半分以上混ぜてから、植えつけてください。


植え付けの際に、植え穴に腐葉土をたっぷり入れてから植えつけた

   土の性質・腐葉土の性質にもよるのですが、水はけが良くないと土中の腐葉土の腐食が進み、ベタベタの状態になることがあります。

   このような状態になると、通気性が悪いので、ブルーベリーは根を張りません。

   また、腐葉土によっては肥料分が多かったり、pHが高かったりすることがあります。

   腐葉土は、マルチに使用するだけにしたほうが良いと思います。


近くにある花と一緒に1週間に1回液肥をあげている

   ブルーベリーは、あまり肥料分を必要としませんので、2〜3週間に1回で十分です。

   (最悪、枯死します。)


植え穴に堆肥・肥料を入れてから、植えつけた

   ブルーベリーは、あまり肥料分を必要としませんので、根が成長できません。

   (最悪、枯死します。)


堆肥でマルチングした

   ブルーベリーは、あまり肥料分を必要としませんので、根が成長できません。

   (最悪、枯死します。)


成長が悪いため肥料を散布したが、変化が見られないため1週間後にまた肥料を散布した

   ブルーベリーは、肥料の利きが現れるまでに、2〜3週間くらいかかります。

   このまま散布し続けると最悪、枯死します。


葉の色が悪く成長が悪い(肥料を全く施していない)

   ブルーベリーは、肥料分の要求量は少ないですが、全くなければ成長できません。

   1ヶ月に1回程度、ほんの少しで良いので施してください。


肥料は、どのようなものを施したらよい?

   ブルーベリー専用の肥料も販売されていますが、使用したことがないので効果の程はわかりませんが、

   肥料についてよく分からない方は、高額ですがこのような専用肥料を使用したほうが間違いないと思います。

   散布するタイミングや量に関しては、肥料の説明書をよく読んでから行って下さい。


   私が通常使用しているのは、ホームセンター等でも販売されている通常の化成肥料です。

   肥料の袋の裏側に肥料成分の欄があり、下記のような記載があります。

      窒素全量 xx

      内アンモニア性窒素 xx

   このアンモニア性窒素の数値が高いものを使用してください。

   ただし、このような肥料は肥料分がすぐ溶け出しますし、肥料分も高濃度です。

   少しずつ月に1回程度にしてください。


ブルーベリーの土という物を使用したがハイブッシュブルーベリーの成長が良くない

   使用したことがないので断言できませんが、ラビットアイ用に調整されているように思われます。

   ハイブッシュブルーベリーの場合は、ピートモスと鹿沼土半々が一番成長が良いと思います。


植え替えたいのだが植替えの時期はいつごろ?

   鉢植えの場合は、いつでもかまいません。注意することは根を切らないようにすることです。

   根を切らなければ、1年中いつでもかまいません。

   掘り上げて移植する場合も同様ですが、根を切らないで移植することは不可能です。

   どうしても葉が付いている状態で移植する場合は、根を切った量に応じて葉の付いている枝を

   切除してください。

   基本的に掘り上げる場合や、鉢植えでも根を切ってほぐしたりする場合は、休眠期に行って下さい。

   ただし、発芽が始まっていないからと言って根が伸長していないわけではありません。

   根が伸長し始める方が発芽より早いため、早い時期の作業をおすすめします。


ブルーベリーは、必ず2本植えないと実が成らないと聞いたのですが、オス・メスがあるのですか?

   ブルーべりには、オス・メスはありません。しかし、自分の花粉では受精しづらい性質がありますので、

   2つの違う品種を植えるようにしてください。

   品種を選ぶ際は、基本的に同じ系統の品種から選択してください。


ラビットアイブルーベリーがある所にハイブッシュブルーベリーを植えたい。
 スペースの関係で、1本しか植えられないのだが受粉するだろうか?

   基本的には受粉しない、と言われていますが受粉する品種もあるようです。

   日本ブルーベリー協会の玉田先生の研究でかなり昔論文発表されているようですが、その論文自体を現在見ることはできないようです。

   玉田先生の著書で「ブルーベリーの生産の基礎」というものがありますので、その中の表で確認できると思います。

   あまり詳しい解説はありませんので、注意して探してください。(よく見ると面白い結果になっています)


花は咲いたのですが、そのまま散ってしまい、結実しませんでした。何が原因でしょうか?

   ブルーベリーの花は、釣鐘のような形をしているため、風だけでは受精できず、蜂などが訪花する必要があります。

   蜂などの昆虫は、気温が低かったり風が強いと訪花しません。

   花の寿命は、1週間程度ですので花が咲いている期間、低温が続いたり、強風が続くと訪花する昆虫がありませんので、受精できません。   


果実が実ったのですが、例年より小さくなってしまいました。何が原因でしょうか?

   果実の肥大には、種の大きさと数が関係しています。

   花が咲いたときに低温や風が強くて、受粉が悪いと種が良く出来ません。

   

   果実に種がないと養分が果実に送られないので、果実が小さくなってしまいます。


ラビットアイは、必ず2種類植えないと実らないそうですが、どんな品種が良いのでしょうか?

   受粉樹として植えるのであれば、他のものに比べ花粉量が多いティフブルーが良いようです


冬の剪定の時、先端の花芽の方が大きいです。花芽を減らす場合、先端の花芽を残し他の花芽を手で
 取ったほうが良いのでしょうか?

   花芽の位置により果実の大きさは変わらないそうです。花芽が極端に小さいものは花芽の数が少なかったり

   しますが、違いはないようです。作業が大変ですので、先端をハサミで切ってしまうのが一番良いようです。


冬の剪定の時、花芽の先端に葉芽を残したほうが果実が大きくなりますか?

   葉芽を残しますと、春に新芽が伸び果実のそばに葉が出来るので果実が大きくなるような気がしますが、

   あまり関係ありません。かえって収穫の際に邪魔になったり、樹形が乱れるもとになりますので、先端の葉芽は

   切除して下さい。





  成長不良の主な原因のひとつに施肥量が多いということがあるようです。

  野菜の栽培をしている方や、花の栽培をしている方にこの傾向が強いように思います。

  酸性土壌に育つブルーベリーはあまり肥料を吸収することができません。

  施肥は、かなり少なめにしてください。


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