冬季剪定について
ブルーベリーの剪定は、あまり難しいことを考えず「元気な枝を残す」ことを基本にすればよいと思います。
ブルーベリーは、新芽にしか花芽が付きませんので、切ってはいけない枝という物も特にはなく、
ほとんどの方は花芽を見るともったいなくて切除出来ないという人が多いので、思い切って切除するように
心がけてください。花芽の数は、成木で200個を目安にすれば良いと思います。
また、太い枝を切るとバランスを崩すということもないので高くなりすぎたり、横に広がりすぎてじゃまになった枝
などは、どこでもかまいませんので、バッサリ切ってください。春には、切ったところからシュート(新芽)が伸びます。
上の写真のように元気のない枝、結果枝は切除してください。
花芽は、20cm以上の枝に残すようにしてください。
花芽の数は、その木の樹勢によっても違いますが、だいたい3〜4個がよいと思います。
その他に、内向きに交差している枝などは、実が付いても取りづらいですし、他の枝の葉の陰になってしまいますので
太いシュートが出ていても思い切って切除してください。
切返し剪定と枝の選定
ブルーベリーは、下の写真のように、結実したところから離れるほど良いシュートが出ます。
1 の枝は、花芽が5個付いていて枝の全長の半分以上が花芽です。
2 の枝は、花芽が3個付いていて枝の先端にしか付いていません。
3 の枝は、写真には写っていませんが一次伸長した部分には花芽がなく二次伸長した先端に花芽が付いています。
ブルーベリーは品種にもよりますが、勢いがよい枝ほど花芽の付きが悪く、勢いが悪い枝ほど枝全体に花芽がつきます。
翌年も良いシュートを確保するには、先端だけに花芽がある枝のみを残し、その他の枝は、全て切除してください。
この例で言うと、2 の枝元から切除してしまうのがベストです。
このように、株元に戻る方向で切除していく方法を切返し剪定と言います。
ブルーベリーの剪定は、この切返し剪定を基本に行っていきます。
その他 スパルタンの剪定
スパルタンは、実が大きくなり美味しいのですが、枝の衰弱が激しく育てるのが難しい種類とされています。
最近はラビットアイに接木した苗も出ているようですが、他の種類と同じような剪定では、樹勢を維持できないように
思いますので、いくつか感じたポイントを上げておきます。
他の種類に比べ結果枝が非常に衰弱します。
この樹は、太いシュート(新芽)が出ていますので、樹全体としては樹勢が維持されていると思うのですが、結果した所から
かなり元の方にならないと強いシュートが出ていません。
このページの最初の結果枝の写真は、「おおつぶ星」のものです。
写真を見て解ると思いますが、おおつぶ星は花芽を3個残しています。 それに対し、スパルタンは花芽を1個残しただけです。
スパルタンの方が条件がよいと思うのですが、おおつぶ星と見比べるとシュートの違いがはっきりと解ります。
また、これらは少し弱めの枝です。20cm位のシュートが出ていますので他の品種でしたら、良い枝なのでしょうが、
スパルタンの場合はこれでも弱い枝となり、この枝に実をつけた場合には、翌年枝元から切除する必要があると思います。
スパルタンは、直立性で実が付いていなければ樹勢も強いのですが、実をつけたとたんに枝が衰弱します。
樹勢が維持されていれば、シュートが出ますが、まっすぐ上ばかりに伸びます。
着果制限はもちろんですが、「花芽を残した枝は翌年の剪定で切除する」「30〜40cmは、枝を切り返す」というつもりで、
翌年のために実をつけない枝も残し、枝の確保を優先的に行った方がよいと思います。
追記:
現在私がオススメしている方法は、下記になります。他の品種でも使える手法だと思っております。
また、幼木期からの剪定も載せておりますので、下記もご覧下さい。